毒の処刑と荊の日々
毒と皮肉がなければ生きていけないダンスパフォーマーです。音楽好きです。スポーツは嫌いですがフィットネスは好きです。
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超短編小説 「ジュスティーノジュスティーノ」
(おじさんの少年時代)

「わたしの裸体を見て興奮しているんだろ?」
会ったばかりの年上の男は言った。年上と言っても自分の父親と変わらない年齢だ。
そういえばさっきまでの会話の中に、彼にも息子が居るという話があった気がするが
無理をして飲んだアルコールのせいで記憶が曖昧になっていた。そのさなかだ、年上の男が裸になって目の前にいた。事実、僕は彼を欲していた。僕も彼に抱きしめてほしかった。

僕は無言で彼に抱きつき、口づけした。そうしながら、彼は僕のシャツをむしりとるように脱がせ、僕の白い胸をなめ回しはじめた。
彼の舌がわたしの腹から胸を這い回っていた。正直、くすぐったかった。わたしは声を出して笑った。すると男がすぐさま声を塞ぐかのように大きく口をあけて、わたしの口に重ねてきた。
そして今度はわたしの口の中で男の舌が暴れている。声は出ないが息は漏れた。感覚が変わってきたのを感じた。何故かこの男を愛おしいと感じてきて、長い間会っていない父親の事を思いだしたがそんな事はどうでも良かった。暴れていた舌はわたしの口から出て再び胸から腹へ移動した。舌が止まった。
「いい顔をしているな」男が言った。え?わたしは息荒く聞き返した。
「名前はジュスティーノジュスティーノだ」
と言い、わたしのパンタロンを下着ごと一気に脱がした。ジュスティーノジュスティーノ。父親の名前も同じなのだ。
わたしは恥ずかしくなった。

わたしの脱がされた下着とパンタロンはまだ右足首にひっかかったままだ。脱いでしまおうと、起き上がったが、男に抑えつけられた。しかもわたしの肢まで開いたままだ。
男の顔を見た。
幼少の時、実の家に泊まっていた毛深い青年を思いだした。しかし目の前にいる男は毛深いが鍛えられた身体をしていた。身長もかなりある。そして何度も言うが、父親と変わらない年齢なのだ。男は抑えつけていた手を離した。わたしの下半身は恥ずかしい事になっていた。
「恥ずかしい事なんかあるもんかね。しかし君は体毛はあまりまだないね」
もっと恥ずかくなるすきも与えず、男はわたしの腿から下腹部にかけかぶりつくように舐めまわし、わたしの体毛のない下半身にもかぶりつき口と舌で暴れまわった。
ふと頭をよぎった。もしかして、わたしの美しい友人が付き合っていたのはこういう男ではなかったのか?
美しい友人を殺して逃げたのはこういう中年男ではなかったのか?…
もしかして、美しい友人も、このような戯れをしたいがために、秘密で寮をぬけだしていたのか?

わたしは気持ちよさよりも、強烈な怒りがこみ上げてきた。

2011年作

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創作昔話 「鬼」
昔昔あるところに鬼の親子がいました。父親は人間の年齢にしてみれば300歳、息子はだいたい100歳ぐらいでしたが、姿形は何ら人間とかわりなく、老いさらばえる事のない鬼でした。
父親には、頭のてっぺんから突き出ている立派な角がありました。息子にはまだ角はありませんでした。息子は自分にもあの角が生えてくるのかと思うと毎日が嫌で嫌で仕方ありませんでした。毎日に頭のてっぺんを触ってみては、まだ出ていない、出ていない、と確かめる日々が続いていました。
息子はなかなかの美男子でした。夜中に茶屋街をふらふら歩いていると知らないじいさんに声をかけられるのはしょっちゅうでした。
「兄ちゃん、ええ男やな。わしと遊ばんかい。」
息子はむさ苦しいじいさんとは遊ぶ気になれなかったので、一瞬だけ鬼特有の恐ろしい顔をして威かしました。すると
「ぎゃあ」
と言ってじいさんは逃げて行くのが常でした。
人間に見えると言っても実際は鬼でした。常々は山で狩った鹿やタヌキ、熊などを食うのですが、時々人間も食いました。
そんな時、鬼仲間から噂を聞きました。絶世の美少年を食えば、角が生えなくなるというのです。が、困りました。近くの村にいる少年たちは、膨れあんまんやら、顔に付いた青っぱなが乾いて顔が干からびている子やら、豚が転けて柱で頭を打ったような子供ばかりです。
ですが、息子はあきらめる事ができません。そのぐらい角が生えるのが嫌だったのです。父親に書き置きをして美少年を探しに行こうかどうしようか、考えていたそんな時です。
西の都会から、親子が、近くの村に越してきたのです。


噂はまたたく間に広まりました。なにせ、へんぴな村に都会から来たのです。早速息子も村に降りて確かめに行きました。そこには、いたのです、美少年が!
色白で髭も生えていない、お城で殿様のお小姓でもしていそうなそんな子でした。
「食いたい」
鬼の息子に猛烈な欲望が生まれました。来る日も来る日も村に降りては美少年を食う瞬間を狙っていました。幸い、美少年を狙っているのは息子だけでした。他の鬼仲間はすっかり角が生えてしまっていて後の祭りだったからです。
瞬間が来ました。美少年が一人、畑仕事をしていました。君のお父さんお母さんは?などと考えながら息子は一瞬で美少年に近ずきました。
「ねえぼく一人なんだ。お兄さんも手伝ってよ」
と手伝うはめになりました。後で食えるんだ、と思えば嫌ではありませんでした。
「ありがとうお兄さん。家でお茶でも飲んでよ」
と美少年に手を引っ張られて家に連れていかれました。お茶を待っている間、今だ今だ、と瞬間を狙っていたその時がきました。
「ぎゃあ」

美少年は声をあげました。
「こんなのいやだよ」
「じゃあどんなのがいいんだい」

美少年の愛らしさに心が揺れうごき始めていた息子は余計な事を聞き返してしまいました。
「こっちに来て」
美少年は可愛い笑顔で、隣の部屋に息子を連れて行きます。
障子を開けると、そこには美少年の父親と母親がいました。
息子は状況がわかりました。
「ずっと待っていましたよ。私たちは鬼を食うために西の街から越して来たのです」
息子はもうひとつの噂も聞いていた事を忘れていました。西の国には鬼食い族がいるという噂を。鬼食い族のために西の鬼たちは絶滅したという事を。
「ぼくの名前は金玉朗。畑仕事手伝ってくれた優しいお兄さん大好き」
そう言って美少年からは愛らしい笑顔もなくなると、大きく口をあけて鬼の息子の頭にかぶりついたのでした。

THE ENDE
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