毒の処刑と荊の日々
毒と皮肉がなければ生きていけないダンスパフォーマーです。音楽好きです。スポーツは嫌いですがフィットネスは好きです。
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創作衆道話 「おでん屋」 2
その夜は寒い夜でしたが何か別の寒さを感じた新衛門は勘定を済ませ、おでん屋を後にしました。
ああ、いやな話聞いちまったなあ、幽霊はともかくあの若旦那とんでもねえやつだなあ、と思いながらも、ちょっと幽霊が怖い新衛門は早く四丁目の角を過ぎようと足を速めました。
そしてその、四丁目の角にさしかかった時でした。 ビョウ! と生温かい風が吹き新衛門の身体を取り囲みました。

「宗三郎さま~・・・・・・・・・」 

と声が聞こえてきました。
ギャア!出たア! 驚いた新衛門はおでん屋に戻ろうとものすごい速さで走りました。そして勢いよくおでん屋の戸を開けました。
「で、でたあ、でたよ大将、聞いちまったよう」
そこはさっきまで商いをしていたとは思えないぐらい、廃れた、真っ暗なおでん屋になっていました。
「大将、もう帰ったのかい、まだ居るんだろう出てきてくれよ~」
すると暗闇の中から誰かが現れました。「ああ、大将やっぱり居たんじゃねえかあ」 その現れた旦那はズシリと新衛門に倒れかかってきました。 「大将どうしたんだよ」 それは真っ黒な血でドロドロになった大将か誰かわからない人物でした。
「ギャア、また出たア」
再び新衛門は走りました。もう何がなんだかわからない状態でした。 「ああもう、勘弁してくれよう」
そういった瞬間、 ザ――――!! と大量の木の葉はかぶさってきました。 ギャーー―!!
新衛門はまた叫び声を上げて尻もちをつきました。
大量の木の葉にまみれ ポカン と口をあけて震えている新衛門の前に一匹の狸が座っていました。

「この狸殺しめ」 

狸が言いました。何で狸が・・・・・・? すっかり酔いも醒めていた新衛門は思い出しました。そういえば数日前、
隣町からの帰り道、酔った勢いで捕まえた狸を川に放りこんでしまったのです。
新衛門は、もしかしてあの時の、、、と思いだし 「す、すまねえ~許してくれえ~」 と泣きながら言いました。
すると狸は
「すまんではすまされない。あなたが遊びで川に放りこんだ狸は私の子供だったのだ。あの子は寒さで震え凍え死んでしまった、この恨み、どうしてくれる」
「悪かった、なんでもするよ、何でもするから許してくれ~」
「本当になんでもするのだな」 狸は言いました。
「ああ、ああ、何でもするから許してくれえ」
するとまた ビョウ! と風が吹き、新衛門は気を失ってしまいました。

3に続く
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